短期志向の時代に、10年先を見つめる企業経営とは?
「未来は、待つものではなく準備するもの」
そう語るのは、株式会社メディアセットの代表取締役・根本正博氏だ。
テクノロジーが目まぐるしく進化し、社会環境も数年単位で激変するいま、企業の多くは「スピード重視」「短期利益追求」の方向へと流されがちだ。
しかし、根本氏の経営スタイルは、その流れに抗うかのように**「10年後の社会と人の姿」から逆算する思考**に支えられている。
「一歩先」ではなく、「数歩先」を読む
多くの企業が“1年後の市場変化”に対応することを前提に動く中、メディアセットでは「3年先・5年先・10年先」を具体的に想像する戦略会議が定期的に開かれている。
その中で交わされる言葉は、今ある市場や技術の話ではなく、「その時代に人々は何を求めるか」「社会はどんな課題を抱えているか」といった価値の本質に関する対話だ。
根本氏はこう語る。
「未来は、ある日突然やってくるように見えるけれど、実際は“今の積み重ね”でしかありません。
僕たちは“未来に選ばれる会社”であるために、今を準備の時間だと捉えているんです」
こうした思想は、事業投資の方針にも表れている。
例えば、教育現場の支援に関わるAIプロジェクト。すぐに大きな利益を生む事業ではないにもかかわらず、メディアセットは3年がかりで開発を継続してきた。
その理由について、根本氏はこう説明する。
「短期的には費用対効果が合わなくても、10年後に“社会にとってなくてはならない技術”になると確信しているんです。
未来の信用を今、積み立てている感覚ですね」
この“信用の先行投資”という考え方は、メディアセットの企業文化にも深く根付いている。
人材育成にも「未来設計」
未来に対する準備は、プロダクトだけでなく“人材”にも向けられている。
メディアセットでは新卒社員や若手に対し、「即戦力」ではなく「10年後の幹部候補」として育てる人材戦略を採用している。
業務スキルだけでなく、思考力・対話力・価値創造力を育む研修制度や、部門を横断した**“未来プロジェクト”**への参加機会が与えられている。
根本氏は言う。
「組織の中で“未来について考える経験”を若いうちから持つことで、目の前の仕事も深くなるんです。
僕は“人の成長こそが、企業のもっとも確実な未来投資”だと思っています」
変化に“反応”するより、変化を“迎えに行く”
未来に備えるというと、「慎重」「守りの経営」と思われがちだ。
だが、メディアセットの姿勢はむしろ逆だ。
彼らは変化に追いつくのではなく、変化を見越して先に動く。
例えば、地方創生におけるデジタル支援もその一つ。
都市部のIT化が飽和する中、地方自治体や中小企業の課題をいち早く拾い上げ、必要なテクノロジーと支援体制を整えてきた。
これは、単なる“地域貢献”ではない。“未来の需要の先取り”でもあるのだ。
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